商標法第1条には、「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の
業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護す
ることを目的とする。」とあります。
また、商標そのものについて、特許庁審査業務部商標課調査班は、「商標とは、事業者が
自己の取り扱う商品・サービスを、他人の商品・サービスと区別するために、その商品・
サービスについて使用するマーク(標識)をいいます」と定義しています。
事業者は自分の商品・サービスを他人の商品・サービスと区別することが主たる目的で
すから、その商標が他人に勝手に使われること対しては、当然、使用差し止めや、損害賠
償請求の権利が認められることになります。その権利が認められるからには、他人の商品・
サービスとの違いが識別出来ることが要件となります。つまり普通名称(例えばサニーレ
タス、登山靴)では、識別不能ですから、登録は拒絶されます。
いかなごくぎ煮は、神戸市を中心に阪神地域や播磨地方では、普通名詞のように使われ
ていますが、普通名称ではないのでしょうか?
その答えは、「普通名称ではない」が正解です。その証拠にいかなごくぎ煮は立派に商標
として、平成11年4月30日付けで、特許庁長官から商標登録証が発行されています。
この商標の保有者は、全国の有名デパートでいかなごくぎ煮を中心に佃煮類を製造・販
売している、株式会社炭 屋(たつの市御津町字室津字柏500番地)です。
しかし、平成11年5月以降も、いかなごくぎ煮は普通名称のように使われていますが、
使用差し止めとか、損害賠償とかの噂は一向に聞こえては来ません。それは樺Y屋が、訴
訟を起こさないからです。いかなごくぎ煮を、全国的な知名度に高めるために、訴訟を起
こすどころか、くぎ煮のメーカーや扱い店が増えることを願い、応援さえしているのです。
それでは何故商標登録をしたのでしょうか? 樺Y屋社長の白山慶三氏曰く、「独占使用
目的で商標登録をする業者が出現することを阻止するためである」と。
こんな商標登録の使い方、知ってました? |